SONYが出したVLOG向けに設計されたミラーレス一眼カメラ。
EVF(電子ビューファインダー)や、カメラ本体による手振れ補正などを排除し、コストをだいぶ抑えられている反面、前面には動画撮影中に赤く光るランプなどが付いたことで、動画をだいぶ意識した設計になっている。
インターフェース面では、USB-typeC端子が付属し、充電に使用したり、PCからのリモート撮影やUSBカメラとして使うことなどもできる。他には、microHDMI端子搭載しているため、外部モニタへの出力や、HDMI出力表示を映像のみにすることもできるため、キャプチャーボードを介したPCでの撮影にも問題なく対応できる。
また、本体のみでの収録も、FHD(1080p)での収録では、約1時間50分ほど連続で撮り続けたが、熱暴走なども起きず、バッテリーとSDカードの容量が続く限り撮影は問題なさそうだった。ZV-E10は、ACアダプター(AC-PW20)にも対応しているため、動画をメインで考えられているのであれば、ACアダプターを用意されていない、フルサイズ機のαシリーズよりも良いかもしれない。(充電しながら撮影すれば問題はないかもしれないが、若干熱を帯びやすくなると思うので)
動画の保存形式はMP4(AVC/H.264)のみとなっている。
この機種を買うようなユーザー層の仕様としては問題はないのではないかと思う。
本体に手振れ補正がないため、レンズによる手振れ補正がない限り、持ち歩いて撮影するには一切向かないので、この機種を検討している方はご注意を。
ちなみに写真メインでも写りは十分だと感じる。
基本的にソニー製APS-C他機種の映像素子や画像エンジンが大きく変わりがないので、レンズは全く別物を使用しているが、下記のように出てくる絵も悪いわけではない。
問題としては使い勝手の部分で、EVFが無くなっていること、各ダイアルが省かれてることなどで、ちょっとした設定変更するにしても全てメニューを呼び出す必要が出てしまう。そのため、シャッターチャンスは逃しやすくなることは否めない。
また、先にも述べたように本体手振れ補正がないため、対応するレンズがない限り、手振れするような環境での撮影には向かない。そういった点ではキットレンズには手振れ補正がついているため、セットで購入していれば写真を撮るにも十分対応できる。
とはいえ、感度も悪いわけではないため、比較的明るめのレンズを用意できれば、日中の撮影では不自由はないのではないかと思う。
写真メインのカメラをいろいろと触ってきている方だと不満に感じるところは多いと思うが、同じソニー製APS-C機のα6000に近い設定項目であったり、操作感も似ているので、動画もスチルも両方こなしたいといった方には悪くない選択肢かと思う。
不満を言えば、静止画・動画・S&Q各モードへの切り替えがボタン式で押すごとにローテーション切り替えのため、レスポンスが悪いところだろうか……意外とイライラするかもしれない。
本体情報公式引用(公式はこちら)
発売日:2021年9月17日
価格:オープン(レンズキット発売時価格¥89,000、のちに価格改定により¥99,000へ)
レンズマウント:Eマウント
撮像素子種類:APS-Cサイズ (23.5 x 15.6 mm)、Exmor CMOSセンサー
有効画素数:約2420万画素
感度(標準出力感度):静止画撮影時: ISO100-32000 (拡張: 下限ISO50、上限ISO51200)、AUTO (ISO100-6400、上限/下限設定可能)、動画撮影時: ISO100-32000相当、AUTO (ISO100-6400相当、上限/下限設定可能)
シャッター方式 : メカシャッター / 電子シャッター
シャッター速度範囲 :
静止画撮影時: 1/4000-30 秒、バルブ
動画撮影時: 1/4000-1/4 (1/3ステップ)、AUTO 1/60まで、オートスローシャッター1/30まで
手ブレ補正機能 : [静止画] 交換レンズ側対応 、[動画] 交換レンズ側対応 (スタンダード時) / 電子式 (アクティブ時)
質量(g)(本体のみ) : 約299 g
外形寸法 : 約115.2 x 64.2 x 44.8 mm (グリップからモニターまで)